本日歌舞伎座へグランパと出かけた。

グランパはかなりの歌舞伎通で毎月欠かさず

昼夜各講演を見に行くのだ。

私も歌舞伎が好きだし、グランパと一緒に見ると色々な

解説をしてくれるので是非一緒に行きたいのだが、

なかなかグランパと予定が合わず、一緒に行ける機会が

少ない。

グランパは土日祝祭日には絶対歌舞伎座に出かけないの。

特に休みの日は素人というか、マナーを守れない人が多くて、

いつも嫌な思いをして、歌舞伎自体を楽しめないからとのこと。

今日は日曜日だけど、この間グランパの傘寿のお祝いをした時に

「もっとグランパと一緒に歌舞伎みたいんだよね~」と私が

従兄弟に呟いたのが、どうやら聞こえていたらしい・・・

かわいいマイグランパでしょ

グランパは実は日本人1/2,フランス人1/4,アメリカ人1/4の

混血なの。つまり私も1/16仏人、1/16米人の血が入っているわけ。

だけど、一見して私に外人の血が入っているとは、全く思われない。

純日本人ルックですもの。髪型も、髪の色もその辺にいる

女の子たちと変わらないし、言葉だって、英語もフランス語

日本人なまりが抜けきらないし。ハワイに住んでいた頃は

"you must have some haole blood!"

(白人の血がちょっとは混ざってるはずよ)

なんて言われた時もあったけど。

なんで分かるんだろう?? 自分でさえ、全然そうは思わないし、

周りの日本人さえ全然気づかなかったのにね。

ともかく、その混血の血が騒いで、私のアイデンティティが

落ち着かなくなるのか、いつも三国の文化に妙に近づきたくなる。

中高のときはフランスに興味があり、バレエとフランス語に

明け暮れた。フランス短期留学もさせてもらっていたが、大学は

一転してハワイの大学へ。別荘があったというのも大きな理由

だっだけど、あのノホホンで超ゆるゆるな雰囲気がとても好きだった。

毎日サーフィンをしてから学校に出かけ、バレエのレッスンも

受けつつ、フラにもはまった。もちろん、勉強も欠かさずしっかり

やりましたよ~。大学院行きたかったし。

そして日本がベースとなった今は妙に日本文化に興味が

ヒシヒシと沸いている。茶道、書道、日本画、日本料理。

いくら時間があっても足りないのよね。

(お稽古事については長くなるので、また今度にします。)

そうそう、話を歌舞伎に戻して、、、、

今日の夜の講演の3題目の中で一番私が好きだったのは

「二人椀久・ふたりわんきゅう」

富十郎と菊之助の二人だけで、せりふで聞かせるというより、

長唄をバックにしての舞踊で魅せる演目。

菊之助が遊女役で、富十郎がその遊女に入れ上げて、

夢の中で二人は戯れて、舞うというきわめてシンプルな内容

だけど、富十郎は何回もこの演目を演じてきていて、かなり

こなれている(by grandpa)が、若手実力派の菊之助が

初チャレンジ。

菊之助の舞は本当に綺麗だったー。

とてもたおやかで、艶やかで、女の私が惚れ惚れしちゃった。

白粉を塗った顔は、富司純子にそっくり。

踊る顔は、寺島しのぶにそっくり。

当たり前だけどね。

(知らない人のために: 尾上菊之助は富司純子の長男で

寺島しのぶは菊之助の実姉)

世の中、中村獅童、染五郎らに注目しがちだけど、

菊之助は本当に実力のある歌舞伎俳優よ!

今日も素晴らしかったけど、昨夏のシェイクスピアの

歌舞伎版「十二夜」も大拍手だったので

是非是非是非、菊之助の演技と舞を見に行ってあげて